はじめに
夏の風物詩カブトムシ。
捕まえたり店舗で購入したりして飼育をしてみたら、幼虫が生まれた!ということもありますよね。
その幼虫をまた飼育していくと、2代目のカブトムシを見ることができるわけですが、そのカブトムシがどのような大きさになるかは実は幼虫時代の過ごし方によって変わります。
土の環境はもちろんのこと、実は管理が必要なのが温度です。
今回は幼虫を育てる時に必要な温度管理について詳しく紹介していきたいと思います!
なぜ温度管理が必要なの?
カブトムシの成虫自体、真夏の暑い日に活動していることから暑さには強いイメージがありますよね。大体屋外にいるものだし、天候の変化にも適応できるものと思いがちですが、実はカブトムシやクワガタなどの虫は日陰や木の皮の隙間など比較的涼しい場所で過ごしています。
真夏の暑い日でも、森林や雑木林などに行くと木の葉で日差しが遮られ、適度な湿度もあり人間でも過ごしやすいですよね。
涼しい場所で過ごす習性があるカブトムシなので、30℃を超えてしまう暑い環境下にいると弱ってしまうこともあるのです。
これは幼虫時代にも言えることで、土の中で過ごしている幼虫も暑すぎて土が乾燥したり、逆に寒すぎても上手に成長することができません。
元々野生のものだからといって直射日光の当たりやすいベランダなどに飼育ケースを置いてしまうのはよくありません。
幼虫にとって最適な環境を作り、維持するためには外気の温度と土の湿度にも管理が必要なのです。
幼虫を飼育する時の適切な温度
幼虫を飼育する時に適切と言われる温度は、私達が過ごしやすいと感じる温度(25℃~30℃)と言われています。
つまり屋外でマイナス温度になってしまったり、クーラーを効かせていない部屋で30℃を超える室温にならなければ大丈夫ということです。
家族が普段過ごしているリビングなどの室内で飼育すれば、基本的に適切な温度の中で過ごすことができると思いますが、虫嫌いの家族がいたりして空調の効く環境に置けない場合は、玄関などの通気性がよく、直射日光が当たらず温度が変化しにくい空間での飼育をおすすめします。
しかし、空調の管理がしやすい部屋で飼育をしていても、直射日光が当たる場所に飼育ケースを置いてしまうと温度が上昇したり、熱がこもってしまい土が乾燥してしまう可能性があるのでそういった場所は避けましょう。
温度と同じく湿度にも注意
カブトムシの幼虫を適切な温度で育てていくためには、温度管理と同じく土の湿度管理も必要です。
幼虫は土に入れておけば勝手に成長するわけですが、そのためには栄養たっぷりで適度な水分のある土でなければなりません。
幼虫を土に入れたあと、長らく放置してしまっては土がフンで汚れたり、乾燥して土がカラカラになってしまいます。
外で飼育する時には特に注意が必要ですが、先程ご紹介したように空調の効く空間で飼う場合でも、クーラーなどの影響で土も乾燥してしまうのです。
幼虫を育てる時の土は手で押した時に形が少し残るくらいの湿り気がベストなので、定期的に土の様子も確認して必要に応じて霧吹きなどで水分を与えてあげましょう。
ただし、水のかけ過ぎはよくありません。
毎日水をかけるようにしておけば乾燥することはないと思いがちですが、水をかけすぎたことにより蛹になった幼虫が死んでしまうこともあります。
見た目ではどのくらいの湿り気があるかの判断が難しいので手で触って土の状態を確認しましょう。
外来種なら温度管理は不要?
普段手に入るカブトムシを飼育する上で、そんなに難しい温度管理が必要なわけではありませんが、できるだけ手はかからない方がいいとお考えの方もいるでしょう。
外来種のカブトムシなら温度管理は不要なのでは?とも思われるかもしれませんね。
実際、外来種のもので気温の変化などに強いカブトムシも存在しますが、かと言ってそれらがどんな環境でも生きていけるというわけではありません。
いくらカブトムシと言えども、生き物なので飼育する以上はその環境を整えてあげることも飼い主の義務です。
外来種だから大丈夫、と放置してしまっていては気づいたら死んでしまっていた、ということもあり得ます。
どんな種類のカブトムシでも温度管理、湿度管理には気を付けてあげましょう。
おわりに
今回は温度管理と湿度管理についてご紹介してきました。
完全に放置しておけばいいというわけではないカブトムシの幼虫の飼育ですが、丁寧に飼育環境を整えてあげることで栄養をしっかりと吸収することができ立派で大きなカブトムシの成虫になることが期待できます。
逆に言えば、幼虫時代に悪い環境で過ごした場合は小さな成虫にしかなれず、その後いくらエサを与えても大きくなれないのがカブトムシの習性なのです。
せっかく育てるなら、大きく元気に育って欲しいですよね。
カブトムシを飼育する時は、良い土を使うだけではなく、常に温度や湿度にも気を配り適切な環境で育ててあげてくださいね。